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一般社団法人ソフトウェア協会様 学習管理システム「LM SQUARE™」の活用

非正規就労の方を中心としたデジタル人材(システムエンジニア)育成事業〈厚生労働省委託事業〉
~学習管理システムLM SQUARE™を活用した人材育成~

一般社団法人
ソフトウェア協会様

1986(昭和61年)に設立された一般社団法人ソフトウェア協会様。ソフトウェア製品にかかわる企業が集まり、ソフトウェア産業の健全な発展と国民生活の向上に寄与することを目的とする一般社団法人です。「Pマーク審査事業」「データ適正消去実行証明書発行事業」「U-22プログラミングコンテスト」等、認証事業をはじめ各種IT人材の育成にも精力的にご活動されています。
ウチダ人材開発センタでは、「非正規就労の方を中心としたデジタル人材(システムエンジニア)育成事業〈厚生労働省委託事業〉」に際し、学習管理システム「LM SQUARE™(以下、LMSQ)」を提供しました。非正規労働者に対して、集合型研修及びeラーニング実施時にご活用いただいております。また実際の研修では、株式会社ピーエスシー様が受講者への指導をご担当されました。
本日は一般社団法人ソフトウェア協会(以下、SAJ)様から笹岡専務理事。研修実施パートナーとして、株式会社ピーエスシー様から寺西様、吉田様、村上様にインタビューをいたしました。本事業における「LMSQ」の活用・導入の効果や研修とeラーニングを組み合わせることによる利点、そしてSAJ様のIT人材育成に関する今後の展望についてお話を伺いました。

一般社団法人ソフトウェア協会
専務理事 笹岡 賢二郎 様
株式会社ピーエスシー
東日本事業本部 教育事業部 教育センター長 寺西 慶純 様
東日本事業本部 教育事業部 教育センター所属 吉田 健一 様
東日本事業本部 Outsourcing事業部 所属 村上 奈七海 様
※2025年3月5日時点

本事業にてLMS(学習マネジメントシステム)を導入するに至った背景をお聞かせください

一般社団法人ソフトウェア協会 専務理事 笹岡様

笹岡様
SAJでは、IT人材の育成に力を入れており、これまでも厚生労働省の支援のもとで様々な事業を行ってきました。今回の事業は、厚生労働省が推進する「受講者の特性に対応した教育訓練手法の構築・普及促進事業」の一環で当協会が実施した「非正規就労の方を中心としたデジタル人材(システムエンジニア)育成事業」。育成のゴールは、約3カ月の訓練でITおよびネットワークの基礎的なスキルを習得し、「CCNA※」を取得してネットワークに強いシステムエンジニアとして正社員就業を目指す、というものです。CCNAの合格率は約25〜30%。IT未経験者の方が短期間でスキルを習得し、資格取得するのは容易なことではありません。講義だけではなく自宅でもしっかり勉強して実力を養っていただくため、LMSの導入を考えました。

※CCNAとは
シスコ認定ネットワークアソシエイト=Cisco Certified Network Associateの略称。ネットワーク機器を世界的に展開する大手企業、シスコシステムズ合同会社による「シスコ技術者認定」であり、ネットワークエンジニアにとっては登竜門的な資格。ルーターやネットワークスイッチの設定などに関する基本的なスキルを証明する入門資格として、IT分野の就職活動に極めて有利に働く。

当社のLMSQを選択された理由を教えてください

笹岡様
令和2年から4年にかけて厚生労働省からの受託で実施した「就職氷河期世代の方向けの短期資格等習得コース事業」でも、ウチダ人材開発センタにお世話になりました。一口にIT未経験者と言っても、ITに関する素養や親和性は個人差があります。各々のレベルに応じて学習を進められるeラーニングの導入が不可欠と、当初から考えていました。eラーニングで予習できれば、ある程度レベル差を縮めた上で講義に臨むことができますし、講義後も、場所と時間を選ばず各々好きなように復習することができます。また、事務局サイドが、学習の進捗状況を管理できるのも大きなメリットです。講義とeラーニングの掛け合わせで短期集中の学習効果を最大化したい。その方向で検討を進めていた我々にとって、集合研修とeラーニングをシームレスに一元管理できる「LMSQ」は最適な商品でした。前回の事業において、“システムエンジニア部門で教育訓練を受けた方のうち233名が情報ネットワーク・セキュリティ検定1級を取得、うち95名の方がCCNAに合格してIT業界へ就職”という大きな成果を得ることができたため、今回も迷うことなく「LMSQ」を利用しました。

今回研修をご受講いただいたのはどのような方々ですか

笹岡様
44歳以下の非正規就労者で、IT業務未経験の方を対象に募集をかけました。1回の定員が30名、計2回60名に対して約5倍もの応募があったため、簡単な論理テストや面接などを通じて受講者を選考しました。この際に利用した論理テストも、ウチダ人材開発センタが提供するツールでした。受講者は男女比1対2ぐらいで、女性の方が多かったですね。教育内容はCCNAの資格取得を目指すためのものですが、事業の最終目標は、IT業界での正社員就業。選考では、正社員として就職する意志や意欲などを重点的に確認させていただきました。

「研修×eラーニング」のプログラムを実施して感じたことやご意見をお聞かせください

寺西様
eラーニングの導入が決まった当初は、ITに不慣れな方たちがスムーズに使いこなすことができるのだろうかと、不安な気持ちもありました。その点「LMSQ」はユーザーフレンドリーで操作がわかりやすく、スマートフォンやパソコンなど、それぞれの学習環境に合わせた各種端末でトラブルなく学習を進めることができました。実際、受講者から操作や機能に関する問い合わせや不満の声は聞かれず、安心して使用できる製品だと思います。

株式会社ピーエスシー 東日本事業本部 教育事業部 教育センター長 寺西様

吉田様
前回の教育訓練で「LMSQ」に対する信頼は持てていたので、その点は心配していませんでしたが、カリキュラムの面で前回と大きく違ったのが“学習時間の制約”でした。前回は平日昼間帯に40日間みっちり講義の時間があり、一から直接指導できていたのですが、今回は非正規で働いている方が対象のため講義は週3回のみ。より短時間で効果的に学習を進めなければならず、ウチダ人材開発センタから動画の撮影や登録方法などをサポートしていただきながら、講義動画のコンテンツを追加しました。柔軟なご対応と手厚いサポートのおかげで、受講者の理解度の向上を図ることができました。

LMSQ導入の効果について教えてください

村上様
スマートフォンやパソコンで事前学習できる体制を作れるため、ITに関する受講者の興味関心が高まりやすいと感じました。講義に入るときには、既に受講者の“学ぶ態勢”ができているのです。講義中も予習をもとに不明点を質問する姿がたびたび見られ、受講生同士が切磋琢磨しながら学ぶ良い雰囲気が醸成されていました。
吉田様
前提知識を持って講義に臨めるのは、学習効率を高める上で非常に大きな意義があります。受講者間で知識量にバラつきがある状態で座学を行うことも多いのですが、eラーニングでバラつきが縮められた状態で講義できるのは、講師側としても非常に進めやすいと感じました。
寺西様
eラーニングの学習内容をわかった上で研修を組み立てられるのも利点です。受講者の習熟度を測る作業が軽減し、効率的に準備を進められました。また、確認テストのツールもウチダ人材開発センタのものを利用したのですが、その機能も「LMSQ」で一元管理できるように対応していただけたのが良かったです。機能を集約することで管理側の利便性が高まるのはもちろんですが、受講者も学習意欲を維持しやすくなるメリットがあります。機能が分散して手数が増えると、操作の煩雑さに気を取られて学習のモチベーションが削がれてしまいがち。「LMSQ」をプラットフォームとして使用できたことは、モチベーション維持の面で非常に効果があったと思います。

LMSQ コース・プログラム管理画面

「LMSQ」で主に利用した機能を教えてください

株式会社ピーエスシー 東日本事業本部 教育事業部 教育センター 所属 吉田様

吉田様
私は講義を担当しておりましたので、やはり追加で搭載した講義コンテンツの利用価値が高いことを実感しました。事前学習だけでなく、対面講義後の動画配信は復習に役立つ便利機能です。講義中によくわからない点があったとしても、何に対してどのような疑問を感じたのか、講義後には明確に思い出せなくなったり、もっと悪いとそのまま忘れてしまったりすることもあります。動画があれば後戻りして確認することができ、わからない点は何度でも繰り返し再生して理解を深められます。受講者の学習を大きく支えたコンテンツだったのではないでしょうか。
村上様
確認テストの利用頻度も高かったです。出題順をランダムに設定できる仕様なので、同じテストに何度もチャレンジし、知識の定着を図れる点が優れていました。管理者機能の使い勝手も良かったです。期限を区切りながらeラーニングを受講していただいていたので、今どの部分を学んでいるのか、スケジュール通りに進められているのか、100%のうち何%まで達成できているのか。一人ひとりの進捗状況を一目で追えるのが、事務局としては大変助かりました。
寺西様
確認テストの点数は、グラフ化して平均点や比較評価を見ることもできます。教育期間中は常に全体および個々の習熟度を可視化しながら、スキルアップにつなげていくことができました。

LMSQ 確認テスト管理画面

吉田様
“eラーニング進めてくださいね”と伝えてあとは各自にお任せ、というやり方では、なかなかスムーズに学習が深まりません。進捗状況や理解度を事務局や講師が常にキャッチアップし、適宜フォローをすることが大切です。“ちゃんと見ているよ”とサインを送ることで適度な緊張感が保たれ、学習意欲の向上にもつながると思います。

研修の成果や受講者からの声・ご意見についてお聞かせください

笹岡様
プログラム修了後に、教育訓練から就職支援まで全体を通してのアンケートを取ったのですが、教育訓練に関する回答では、受講者の方々からほぼパーフェクトに近い評価が得られました。CCNAの合格率も、1回目の施行で約50%。2回目は、1回目の経験を踏まえて改善を加えたり自宅学習の強化を促したりしたことも奏功し、なんと約85%の合格率を叩き出すことができました。一般的には合格率20~30%の資格ですから、これは手放しで素晴らしい結果と言えるでしょうね。
寺西様
私としては正直なところ、3カ月間の短期決戦で結果を出すのは日程的にかなり厳しいと心配していたのですが、受講者の皆さんはタフな気持ちで頑張ってくれました。それを支える講師陣や事務局も含めたカリキュラムの建て付け、そして「LMSQ」とウチダ人材開発センタの協力、すべてを適切な形でパッケージングできたからこそ導き出せた結果だと考えています。
村上様
最初はなかなか理解が進まず困っていた受講者もいたと思いますが、研修の途中からは“エンジニアになるのが楽しみ”とワクワクしながら学ぶ人が増えてきて、皆さんモチベーション高く勉強に取り組む姿が印象的でした。IT業界に就職した今も「エンジニアの仕事、すごく楽しいです!」という声が届いています。厳しい日程ながらも実り多く、豊かな気持ちで学べた3カ月だったのではないでしょうか。私自身、IT業界で働き、エンジニアの経験もあるので、受講者の方々がIT分野を好きになってくれたことが何よりうれしいです。

株式会社ピーエスシー 東日本事業本部 Outsourcing事業部 所属 村上様

一般社団法人ソフトウェア協会
「厚生労働省委託事業:デジタル人材育成支援プログラム」のご紹介

貴協会のIT人材育成について今後の展開を教えてください

笹岡様
IT業界は今、非常に人手不足で、特にエンジニアの採用に苦労しているとの声がSAJの会員企業からも上がっています。厚生労働省もデジタル推進人材の確保を重視し、2026年までに230万人という目標を掲げて育成事業に力を入れています。そのような状況の中、短期間でIT教育を施すためにeラーニングはもはや不可欠のツールです。また、デジタルトランスフォーメーションやテレワークが進む現状においては、特にネットワークに関する知識を求められる場面が多く、IT人材の育成とネットワーク知識の習得は一体不可分の状況。国際的に認知度の高いCCNAを取得すれば、採用の優先度が上がるのは間違いありません。
今後ますます需要が増えていくと思いますので、ウチダ人材開発センタの「LMSQ」が果たす役割もさらに大きくなっていくのではないでしょうか。今回の成果はSAJのWebサイトだけでなく厚生労働省からも公開されることになっています。プログラムの普及と展開を厚生労働省より期待されていますので、ITの教育訓練事業に携わる事業者の方々には、ぜひ「LMSQ」の導入を検討し、育成に役立てていただきたいと思います。

【学習管理システムLM SQUARE】
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